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動き出した

今回論文が出たことは自分にとってひとつの成果として喜ばしいことだが、それ以上にようやく動き出すことができると言う意味が大きい。

論文を出すこと自体は会社じゃ全然評価してもらえない。会社にとってもまともなところに論文を出す意味はとても大きいとは思うんだがね。まあ、会社内で評価される云々はもともと期待していたことではないから関係ない。
それより論文として公表されるということは、もう研究の内容を外の人に話してもいいということだ。つまりは、もう会社の中にこもっていなくてもいいということだ。

掲載されたジャーナルの昨年のIF=6.1、この分野での被引用件数は最も多いらしい(掲載される論文数が多いせいだと思うが)。ランキングはおそらくレビュー誌を除けば2位とほぼ同率の3位。4位以下はIF=3あたりに10-20くらいのジャーナルが団子状態になっている。
会社設立から6年ほど経っているが、会社からこれまでに出た論文はほとんどが前身の研究機関から引き継いだ研究を10-20人がかりでやって、IF=3程度のところに何本か出ているといった感じだから、会社にとっても意味はあると思うだがね。

IFなんてあまり意味はないが、トップ3に載せる意味はやはり大きい。とにかく出したと言う実績を作るために論文を出す人もいるが、論文は読まれて何ぼ。なるべくたくさんの人の目に触れなくては意味がない。トップ3誌はこの分野であれば、世界中どの研究室にいってもほぼ確実においてある。しかも掲載されたところはオープンアクセス、すなわち誰でもいつでも読めると言うのがいい。
ここのジャーナルは、読む人に負担をかけるのではなく書いた人に負担を求める形式を推進している。つまり、書いた人が学会に入会するか6万円くらい払えば、読むほうはタダで読めるのだ。一般的な本だと読みたい人がお金を出して買って、印税が書いた人に入るのだからまったくの逆転だが、読まれてこそ意味のあると考えるとこの方式はリーズナブルだ。商業紙もあるからなかなか難しいだろうがすべての論文はオープンアクセスにすべきだ。ちなみに、2位のジャーナルはオープンアクセスになっていない。
今回自分は自分を追い込むためにアクセプトされる前に自腹を切って入会した。

ようやく、外部とのコンタクトが可能になったということで、内外2つの学会で発表を申し込み、この分野の研究の中心的研究室に突撃メールを出した。
これまでも何とかコンタクトをとろうと思っていたが、こちらの研究内容は話せません、実績はありません、でも教えてください、では相手にしてもらえないだろう。相手は公的機関だから公式な手続きで研究試料の提供を求めることはできたが、よい関係を築くにはこちらから提供できるものがなくてはならん。
幸いこちらの研究に強い興味を持ってもらえて関係者を集めて会議をひらいてもらえることになった。

論文の要旨がPubMedに公開されて、早速外国の人からフルペーパーの要求も来た。オープンアクセスだからこういう要求はすぐにやむはずだが。研究試料の提供要求などはややめんどくさいな、とも感じるが、ともかく反響があることはいいことだ。

ともかくようやく動き出した。
by hirommk | 2007-01-14 08:35 | a la carte

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